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栂海新道、紅葉真っ盛り

  栂海新道は以前から行って見たいコースでした。白馬岳から行けば標高差2,932mの超ロング行程の下りでゴールは「海」の海抜0m。それだけでも日本では他に類を見ない魅力です。
  当初9月に行くつもりでしたが、夏の暑さが続きとても標高0mまでの登山道など行く気もせず、今回になってしまいました。ただ10月中旬と言えば白馬岳などはいつ雪が降ってもおかしくない時期、今回が今シーズン最後のチャンスと思って計画しました。

  先週朝日小屋が閉鎖して小屋のテント場に行っても「水」が手に入らないので、今回は朝日岳を越えて適当な所でテント泊(多分黒岩山付近かなぁ)と言うことで考えてました。

  

「1日目」

 前夜白馬八方の駐車場に着き仮眠し早朝猿倉を出発しました。いつもならこの付近は紅葉真っ盛りのはずですが、今年はやっと色付き始めたばかりでした。

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  白馬尻までの紅葉はまだまだ、わずかに赤くなるのが早い蔦が赤くなり始めてました。

 

  
  
大雪渓は何度か来ていますが秋の時期は初めてだったので、どれぐらいの大きさになっているか興味がありました。

 

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  さすがの大雪渓も小さくなっていました。
 

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 しかもクレバスがあちこちに開きずっとは登って行けません。雪渓上も落石に覆われ汚いです。 

 

 大雪渓の上部は雲に覆われて見えなくなっていました。毎年のように落石事故のある場所なので、正直あまり良い気分ではありません。足元と上部をキョロキョロ見ながら足早に登りました。

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  雪渓上部から下部を見下ろす
 

 

  2,000m付近から上は完全に雲に入り視界は数10メートル、時たま霧雨もある寒い最悪のコンデイション、黙々と登るだけです。
  夏の避難小屋付近まで登ると落石の心配は無くなりますが、大きく崩壊が進んでいる杓子岳の斜面を見ると、やっぱりガスっている時は登りたくありません。
 霧雨と寒さから逃れるように白馬山荘に入って一休み、小屋の人の話だと朝日岳までの水場はあまり信用できないとのことなので、ここで水を補給しました。

  天気は相変わらずで稜線で出たので風も強くなりました。山頂も素通りし正直栂池に下りちゃおうかと思ったほどでした。
 

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 山頂です。
 

 

  雪倉岳を過ぎると地形的に風が無くなったので助かりましたが、天気は相変わらずです。
 

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 天気が良ければ紅葉がきれいそうです。
 

 

 ところが朝日岳直下になると見る見る上空に青空が広がってきました。
 

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 朝日岳山頂直下

  

  そして朝日岳山頂に着くと快晴に近い青空になり、朝日岳から北側は視界も日本海の向こうに能登半島まで見える見事な天気になってくれました。

 「帰らないで良かった~~」
 

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  そしてこれから向かう栂海新道方面にはみごとな紅葉が広がっていました。

  

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  直前までガスの中だったこと、ここの紅葉がここまできれいとは予想してなかったこと、ここまで「寒いなぁ」「帰ろうかなぁ」など後ろ向きな気分だったことから、一気にやる気復活です。

  ここからの紅葉の登山道はまさに圧巻でした。歩いて行くと次々現れる新たな紅葉の景色は全く期待を裏切らず、「この先どんな景色なんだろう」と先に進むのが楽しくて仕方がない景色が続きました。

  

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  それにしても写真取るの下手だなぁ
 

 

  正直「朝日岳から先は樹林帯に入ってしまうのかな」、と思っていただけにこの紅葉にはビックリでした。
 広く平らな尾根上に登山道が高層湿原の間を縫うように伸びています。この超ロングな登山道の「長さ」を全く感じさせず快適に進んで行きました。

 予想以上に早く進み、当初「この付近でテント泊かなぁ」と思っていた黒岩山手前で栂海小屋まで十分明るいうちに着きそうなので、小屋まで行くことに決めました。

 

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 黒岩山先の稜線

 

 
 
 
  黒岩山からの登山道は顕著な稜線上になります。ただ低灌木帯なので視界は良く、相変わらず紅葉はきれいです。
 

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 一番遠い台形の山(犬ケ岳)の右側の肩に小屋があります。ここから見ると小屋は遠いです。

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 そして相変わらず紅葉はきれいです。

 
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  小屋が近づくと遠くに剣岳が見えました。
   

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 そして栂海小屋に4時過ぎ到着

 

  小屋は山頂直下にありきれいです。東側に開けた場所にあり、小屋の中で夕暮れを眺めながらのんびり夕食を取って、7時過ぎにシュラフに入りました。

  

 

 「2日目」

 明け方降っていた雨も出発直前に上がりましたが、相変わらずガスの中です。暗いうちに食事とパッキングを済ませ、5時45分に出発しました。

 登山道はいきなり急な下り坂で始まり、ブナなどの広葉樹林の中に入りました。途中山ブドウなどをクマや猿などが食べた残骸があちこちにありました。
 栂海新道での一番大きな登りで白鳥山に到着、この付近からようやく雲が薄くなり始め明るくなってきました。
 坂田峠で今山行初めて登山者に会い少し立ち話をして、再び日本海に向かって進みました。登山道は終了点の国道までずっと広葉樹林に覆われていました。

 そして
   

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 ゴール直前からの日本海

 

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 国道の出た所の登山道入口

 

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 ゴールの日本海

 

  ゴールの日本海に10時前に国道に到着しました。それにしても

「長かった~~~」 「でも楽しかった~~~」

 このあと歩道の無い国道を1時間弱歩いて親不知駅に着いて糸魚川経由で白馬に1時半に着きました。

 

  

 

  念願の栂海新道は予想以上に良かったです。

 朝日岳から黒岩山までの高層湿原を縫うように進む登山道、黒岩山から小屋までの景色の良い稜線歩き、小屋から海岸までの広葉樹林帯の登山道、そして全コースに渡る紅葉と、朝日峠までの悪天を差し引いても今シーズン有数の「会心の山行」でした。

 「また秋に来たいなぁ」、そして 「今度来るときはできればもっと南から来れれば良いなぁ」

 

 最後にこの長くすばらしい栂海新道を作り維持管理している「さわがに山岳会」の方々に、感謝いたします。

 

 

 

1日目
 猿倉(6:00)~白馬山荘(8:50~9:10)~雪倉岳(10:40)~
朝日岳(12:45~13:00)~黒岩山(14:50)~栂海小屋(16:25)

2日目
 栂海小屋(5:45)~白鳥山(7:35)~国道(9:50)~親不知駅(10:40)

 

 

 

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